緊張をとるエクササイズ

あなたがプレゼンで緊張しないように意識すればするほど緊張は強くなる。集中しようと全力で努力するが集中できない。心は思ったとおりに動いてくれません。理由は心は直接操作できないからです。例えば何度も訪れているある場所を思い出すとその時の感情が蘇ってくる。好きなゲームをしていたら時間を忘れて没頭していた。身体がクタクタに疲れたら他の事など考えられなくなった。全て直接ではなく心に対しては間接的で外堀からのアプローチです。練習では成果を求めず、ふざけたり、遊んだり、わがままになったり。手ごたえを求めて直接的な辛い練習に耐えるだけでは緊張はとれません。スピーチの上達を目指すのであれば先ずは緊張をとります。緊張がとれるとスピーチは自然と良くなります。

1.会議室でも出来る!スピーチ直前の緊張をとる
2.呼吸で整える
3.楽しみやすくして緊張をとる
4.集中力が緊張を忘れさせる
5.リラックスを深めて緊張をとる
6.聞き手から意識をそらす

1.会議室でも出来る!スピーチ直前の緊張をとる

心と身体の相関関係を利用して大きな緊張をザックリ取ってしまいます。
全身に思いっきり力を入れ、パッと一気に脱力します。これを3回行います。顔が赤くなり、少し汗ばむ位本気でやって下さい。私もワークショップの前は一人でやっています。バロメーターは手の温度です。緊張状態で冷たい手が、リラックスに向かうと暖かくなってきます。

2.呼吸で整える

胸の前で手の平を下に向け、手の間隔は肩幅くらいに広げます。
呼吸に合わせて手を上げ下げします。吸う時は手を上げ、吐く時は手を下げます。出来るだけゆっくりやって下さい。特に吐く時はゆっくりと。緊張した時は深呼吸が良いと言いますが、深呼吸だけでは緊張はとれません。深呼吸は目の細かいヤスリと一緒です。大きな緊張をとってから、呼吸で整えます。

3.楽しみやすくして緊張をとる

楽しい時って緊張していませんよね。身体的行動で意識的に楽しい状況をつくると次第に理性が緩み、人前の照れや躊躇がとれます。練習ではむちゃくちゃ言葉などで自分の殻を破り心のストッパーを外します。
・むちゃくちゃ言葉
・ハミングで原稿読み
・ワーッ!で照れをとる
・変顔ストレッチ

4.集中力が緊張を忘れさせる

電車に乗っている時にスマホゲームをしていて、目的の駅で降りるのを忘れそうになった経験はありませんか?思わずゲームに集中してしまい、時間が経つのを忘れてしまう。楽しい時、ノッてる時、集中している時は緊張していません。集中も内面に関することなので、直接ムリヤリは出来ません。集中には対象が必要で、何もないところに集中は出来ません。集中とは対象に意識を向けた後の結果のことです。無意志に楽しめている時に意識が確認すると気持ちが冷めて緊張に意識が戻されてしまいます。心を確認しないで無心になれば心が誘導されて楽しみやすくなり、結果集中します。エクササイズではゲーム性を持たせた幾つかの行動を同時に行うことで、集中力が自然と働き、緊張から意識がそらされます。

パートナーからの質問に答えながら、同時に以下の行動をする。
・単純な図形を描き続ける
・提示される数字を書き留める
・パートナーの動きを鏡のように真似る

5.リラックスを深めて緊張をとる

身体を緩めれば心もリラックスします。しかし、深くリラックスするには意志のチカラが必要です。深いリラックスには集中力という架け橋が必要です。深く集中しながらリラックスし、意識が研ぎ澄まされている状態をゾーンといったり、演劇の分野ではサモチューフストビエ(舞台上の創造的な状態)といったりします。

・リラクゼーション(身体の数か所を同時に動かし緩める)
・感情解放

6.聞き手から意識をそらす

舞台で演じる俳優は観客からのプレッシャーで緊張し、能力を発揮できないといいます。緊張は俳優にとって職業病のようなものですが、スピーチやプレゼン以上に感情を扱う演技には影響してしまいます。そこで俳優たちは観客から意識をそらし、舞台の上でも自分一人の世界にいるような感覚になるような練習をしています。

・プライベートモーメント(自分の部屋の細部までイメージし、日常の行動を演じる)
・砂のお城(子供が砂場でお城を作っている時の没頭)